「聖家族のランチ」。

今まで数え切れないほど、林さんの作品を読んで来ましたが、今回の本だけは、途中で買ったことを後悔し、何度もくじけそうになりました。(ネタばれあり。)
 
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最初は良かったんです。
料理研究家のユリ子(45歳)は、銀行員の夫と、娘(19)、息子(16)の4人家族。
仕事も順調で、おまけに背が高くおしゃれな不倫相手もいる。
その幸せな家庭に、少しずつ暗い影が忍び寄り・・・。
 
ここまでは良くあるパターン。
最初は、不倫の小説?と思って、おもしろく読んでいました。
 
でも中盤くらいで、息子が思い余って、母の不倫相手を刺殺してしまうという出来事が起こり・・。(え??何?死んじゃうの???ってびっくり。)
 
 
 
いや、それでもまだここまでは普通に読めました。
普通なら、ここで息子が警察に捕まって終わり、のはずなのですが、ユリ子が料理研究家なのをいいことに、
事件はとんでもない方向へ・・。
 
なんと、家族全員で、殺した男の肉を食べ、証拠を消してしまおう、というのです。
まずは、死体を家の風呂場でバラバラに切断。
それから、毎夜毎夜、ユリ子は腕によりをかけて、人間の肉を調理し、家族4人揃って夕食の席につきます。
その描写がかなり具体的で、読んでいて、気持ちの悪いことと言ったら・・。
 
いったいいつまでこの話を引っ張るんだろう・・・と思いつつ、それでも最後がどうなるのか、どうしても気になったので仕方なく最後まで読みました。
が、結局最後の最後まで、(肉を全部食べ終わるまで、1ヵ月半くらい)ずっと、その家族の夕飯の話が続き・・。
物語の後半はほとんどその話だったと思います。
こんな展開になるなら、この本買ってなかったわ(-_-;)
 
で、最後の結末のつまらないこと・・・。
なんだ、それで終わり??って感じで、あっけに取られました。
 
林さんは、コルドンブルー(日本校)を卒業されたほどの料理の腕前だから、うさぎ一匹を丸ごと調理したり、そういった普通の人ではなかなかあり得ない経験から、たぶんこの物語を書こうと発想されたのだろうけど、ちょっとこの作品は、あまりにもひどい。
「解説」に、「衝撃のストーリー」とあったのですが、「衝撃」の意味が違いますがな!σ(・_・) と、思わずツッコミ入れました(・_・;)
 
初めて、読んで後悔した本でした・・・(-_-;)
本のレビューなので、おすすめの本を紹介したかったのですが、おすすめできない本でごめんなさい・・・。
こういうグロイ話に興味のある方はどうぞ・・。